試食したときにびっくりしたのは、湯煎で商品を温めてボウルにあけたとき、ここで調理したような匂いがしたことです。あれにはスタッフ全員が驚きました！

特に、魚を調理すると生臭くなったりしますが、そんなことはありません。以前食べた他の会社さんのものよりも美味しくて、昔の湯煎商品を知っていた私は本当にびっくりしたんです。

調理の部分ですね。本当に楽になったのでもとには戻れないです（笑）。例えば、焼きそば。前は入居者様に喜んでもらえるので鉄板で調理していましたが、麺をほぐしたりするのが本当に大変だったんです。

グローバルキッチンにしてからは、麺にソースが絡んでいる出来上がった商品が届くので、自分たちでカット野菜を足して焼くだけで済み、調理の手間が減りました。

しかも、見た目は良いし、麺はくっつかないし、麺まで均等に味がする。調理が楽で、何より美味しくて喜んでもらえることを実感しています。

行事食のうなぎは、入居者様に本当に喜んでいただけました。普段『やわらか食』や『ムース食』を食べている人にも、その日は、うなぎを出して差し上げて。

それができたのは、普段『やわらか食』と『ムース食』で、きちんと「食べること」を鍛えているからです。もちろん誤嚥しないように、うなぎは切ったものを並べましたが、しっかり箸で食べていただけて本当にうれしかったです。

＜土曜の丑の日　実際の献立例＞

『ムース食』を食べている人は、ほとんどが食事介助を受けていますが、嫌がらず食べていただいているので、味は美味しいと感じていると思っています。見た目もきれいで、味のバリエーションがあるのもいいですね。

『やわらか食』は、すごいですよね。形があるのに柔らかいし、葉物がある料理でも口の中にあまり残らない。

レンコンの煮物を初めて提供したときに、入居者様の1人が「美味しい」と言ってくれて、うれしそうに食べていました。以前は好きで食べていたのに、歯がなくなって食べられなくなったのだと思いますが、「入居者様の嗜好をあらためて知ること」という食事サポートの大切な一面を実感できました。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。