介護食が「まずい」はもう古い!最新の老人ホームの食事事情を紹介
老人ホームで入居者に提供される食事には、高齢者でも食べやすく工夫された「高齢者食」や、噛む力・飲み込む力が低下した方に対応した「介護食」があります。介護食は機能性や栄養バランスを重視して作られているため、「まずい」というイメージを持つ方も少なくありません。しかし介護食は改良が重ねられて味に配慮した美味しい商品が開発されています。
本記事では、介護施設の入居者に介護食を美味しく味わってもらうコツや、味もコスパも良いと評判の介護食の提供サービスを紹介します。
老人ホームの食事は「まずい」はもう古い!最新の介護食事情
介護食に抱く一般的なイメージとして、「やわらかい」「栄養バランスが良さそう」というポジティブな意見がある一方で、「まずそう」というネガティブなイメージを持っている方も少なくありません。従来の介護食は、噛みやすさ・飲み込みやすさなどの機能面や栄養バランスを重視して作られているため、美味しさを追求したものは多くありませんでした。
しかし、最近の介護食は機能面・栄養面だけでなく、美味しく食べられるように味にも配慮したものが増えているため、従来よりも食べやすくなっています。本記事の後半では、調理が簡単かつ管理栄養士が作成した栄養バランスに優れ、バリエーションのある献立を提供する介護食の提供サービスも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
介護食に求められている条件
介護食は、次に挙げる条件が求められています。
- 噛みやすさ
- 飲み込みやすさ
- 塩気の強さ
- 栄養バランス
上記4つの条件をすべて満たすことで、介護食としての機能を果たせます。それぞれの条件を詳しく確認していきましょう。
噛みやすさ
加齢によって口の筋肉が衰えると噛む力が弱くなるため、食べ物がうまく噛み砕けない高齢者も多く見られます。食べ物を噛み砕けないと食欲が失せてしまい、食事量の低下につながる可能性があります。噛みやすさが介護食の条件に入ることで、噛む力が弱くなった方でも安心して食事を楽しんでもらえるでしょう。
飲み込みやすさ
口の筋肉の衰えは噛む力だけでなく、水分や食べ物を飲み込む力も弱くします。飲み込む力(嚥下機能)が低下すると飲み込んだ食べ物が誤って気管や肺に入り、誤嚥性肺炎になるリスクが高まります。嚥下機能が低下した方に介護食を提供するうえで、スムーズに飲み込めるやわらかさやとろみ加減に配慮する必要があるでしょう。
塩気の強さ
介護食に塩気の強さが求められる理由は、食後の満足感を高めるためです。加齢によって血圧が高くなる高齢者は多く、塩分を控えた薄味の食事が理想とされています。しかし、薄味でも塩気がなければ食事を美味しく味わうことはできません。塩分を抑えていても塩気を感じられるような食事の工夫が必要です。
栄養バランス
高齢者向けの食事は塩分を控えるなどの調整に加えて、栄養バランスにも配慮する必要があります。例えば、カルシウムの不足は骨粗しょう症や転倒による骨折のリスクが高まります。効率よくカルシウムを摂取できるように吸収率を高めるビタミンDとのバランスに配慮しましょう。また、不足しがちな食物繊維の摂取量を確保することも重要です。
介護食を美味しく食べてもらうためのコツ
介護食を美味しく味わってもらうための主なコツは、次の3つです。
- 食べやすく・飲み込みやすく工夫する
- 食欲不振を解決するために工夫する
- 自助具・介護食器を利用する
それぞれのコツを解説します。
食べやすく・飲み込みやすく工夫する
先述の4つの条件を満たすためには、咀しゃく・嚥下機能が低下している方でも美味しく食べられる食事にする必要があります。食べやすく飲み込みやすい介護食の例として、次のような工夫が挙げられます。
- 水分が少なく、ぱさぱさする食材を煮る・餡をかける・水分に浸す
- 硬く噛みづらい食材は煮る・叩く・隠し包丁で切れ目を入れる
- 汁気の多いものはとろみをつける など
介護食を提供する方の咀しゃく・嚥下機能の状態を確認したうえで、上記の調理法やとろみの調整を行うようにしましょう。
食欲不振を解決するために工夫する
咀しゃく・嚥下機能に問題がない方でも食欲がないと食事量が低下し、健康維持に必要な栄養を摂取できなくなります。食欲不振の解決におすすめの工夫として、次のようなものが挙げられます。
- 好きなものを食べてもらう
- 体を動かしたり好きなことを楽しんでもらったりしながら、食欲が出るまで待つ
- 献立に変化を加える など
食欲不振を解決するためには、入居者の「食べたい」という食欲を刺激する食事や献立を用意しましょう。
自助具・介護食器を利用する
麻痺があったりリハビリが必要で通常のお箸やスプーンを利用できない方には、自助具や介護食器を用意して自力で食事ができる環境を整えましょう。例えば、次に挙げるような自助具や介護食器を取り入れると良いでしょう。
- 柄が太く、角度がついている介護用のお箸・スプーン
- 取っ手のついたお椀やコップ
- スプーンでも食材が取りやすい深さと角度のついた介護食器 など
裏に滑り止めのパッドがついている介護食器はテーブルの上で食器が滑るのを防止でき、片手しか使えない方でも安心して食事ができます。
介護施設で提供する介護食をより良くするための対策
ここからは、介護施設で提供する介護食をより良くするための対策を3つ紹介します。
- 食堂の決まりごとを見直す
- 行事食を取り入れる
- 調理済の食材を導入する
それぞれの対策を確認していきましょう。
食堂の決まりごとを見直す
介護施設で食事を提供する場合、入居者が食堂に集まって一緒に食べるという施設が多く見られます。座席や時間を指定するなど、さまざまな決まりごとを設けている老人ホームも少なくありません。
入居者が食堂で食事を楽しめる環境を整えるためには、固定席を設けずにその日の気分で座席を決められるようにしたり、それぞれが食べたくなったときに食事を提供したりするのも一つの方法です。食堂の決まりごとがある場合は、見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
行事食を取り入れる
行事食を取り入れると、入居者の食欲増進や生活の質の向上などの効果が期待できます。行事食に旬の食材を使うことで、季節感のある食事を楽しんでもらえます。行事食の例は次のとおりです。
正月 |
おせち料理、七草がゆ |
土用の丑の日 |
うなぎの蒲焼きを使った料理 |
重陽の節句 |
菊の花を使った料理など |
季節の行事以外に、入居者の誕生日にお祝いのご膳を提供したり、定期的に焼き立てパンやスイーツ、フルーツなどをバイキング形式で用意するイベントを行ったりするのも良いでしょう。
調理済みの食材を導入する
介護食の調理を介護スタッフだけで行うこともできますが、通常の業務に加えて大きな負担がかかります。調理済みの食材を導入した場合、介護スタッフの業務負担を軽減できるうえに、簡単な調理で美味しい介護食を入居者に味わってもらえるメリットが得られます。
簡単な調理だけで介護食が作れるサービスは数多くあるため、調理済みの食材を使用する場合は自身の介護施設に合ったサービスを利用しましょう。
見た目そのままで美味しい!グローバルキッチンが運営している「まごの手キッチン」について
介護食の提供サービスにはさまざまな種類がありますが、見た目はそのままで美味しい食事を入居者に提供するなら、グローバルキッチンが運営している「まごの手キッチン」の利用をおすすめします。「まごの手キッチン」では、エネルギー制限のある方向けのエネルギー調整食をはじめ、、咀しゃく・嚥下機能が低下している方向けのやわらか食やムース食を提供しています。
毎月の献立は栄養管理の専門家である管理栄養士が作成するため、献立を考える手間も省けて業務効率化も図れるでしょう。コスパも良いので、ぜひご検討ください。
▼まごの手キッチン「ムース食」の記事にリンク
https://www.global-kitchen.jp/menu/mousse-food/
介護食に悩んだら安心で美味しい配膳サービスも検討してみよう
介護食には「まずい」というネガティブなイメージもありますが、機能面・栄養面と美味しさを兼ね備えたものも増えています。例えば、グローバルキッチンが運営している「まごの手キッチン」を利用すると献立作成や調理の手間を省けるため、次のような悩みを解消できます。
- 専門の調理師や栄養士の雇用が大変
- 毎日の献立づくりに悩んでいる
- 献立が単調で、飽きられていないか心配
まごの手キッチンでは、介護食の無料試食サンプルの配布を行っているので、見た目や味などを確認いただけます。介護食の利用を検討する際にご活用ください。
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